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[I-P16-06] 大動脈縮窄症に対する外科的修復法の遠隔成績に及ぼす影響に関する検討
キーワード:大動脈縮窄症, 外科的修復, 遠隔成績
【目的】大動脈縮窄症(CoA)の外科治療成績は向上してきているが、遠隔期における高血圧などが指摘されている。外科的修復術後の成人期に達したCoA患者について検討した。【方法および対象】CoAに対して外科的修復術を施行し、現在成人に達している1986年以前に出生した患者のうち、心室中隔欠損などの心内病変を合併していない102例を対象とした。手術時期は1965年から2008年の43年間であった。外科的修復法としては、直接吻合術32例、パッチ形成術36例、人工血管バイパス術12例、人工血管置換術1例、鎖骨下動脈フラップ術21例であり、術式別に比較検討した。手術時年齢は中央値5.5歳(2日-51歳)、手術時体重は中央値17.0kg(2.1-61.5kg)であった。【結果】術後早期死亡を3例、遠隔期死亡を5例に認めた。Kaplan-Meier法による術後累積生存率は1年、5年、20年でそれぞれ93.3%、90.8%、90.8%であった。術式別では差がなかった。再手術は10例に認め、大動脈弁置換術6例、僧帽弁置換術2例、大動脈修復部瘤に対する人工血管置換術2例、大動脈再狭窄に対する人工血管バイパス術1例、Bentall手術1例であった(重複あり)。術後のカテーテルインターベンション(PTA)は6例に認めた。Kaplan-Meier法による大動脈再手術もしくはPTA回避率は5年、10年、20年でそれぞれ97.0%、92.2%、85.9%であった。術式別での差はなかったが、大動脈修復部瘤はすべてパッチ形成術後に認めた。死亡例を除く症例95例のうち成人期まで追跡可能であったのは53例(56.4%)であり、術後観察期間は中央値23年(8カ月-51年)、年齢は中央値22歳(21-73歳)であった。収縮期血圧140mmHg以上もしくは降圧薬の内服をしているものを高血圧と定義すると53例中17例(32.1%)が高血圧を合併していた。術式別では差がなかった【結語】大動脈縮窄症に対する外科的修復術後の遠隔期には再狭窄や瘤形成、高血圧などが問題となる。今後も注意深い経過観察が必要と考えられる。