第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター (III-P31)
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2017年7月9日(日) 13:00 〜 14:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:豊野 学朋(秋田大学大学院医学系研究科 医学専攻機能展開医学系小児科学)

13:00 〜 14:00

[III-P31-04] 小児におけるコントラスト剤を用いた非侵襲的肺動脈圧測定の試み

山田 俊介1, 岡崎 三枝子1,2, 豊野 学朋1 (1.秋田大学 医学部 小児科, 2.秋田大学 医学部 循環型医療教育システム学講座)

キーワード:肺動脈圧, コントラスト剤, 非侵襲的

【背景】小児における非侵襲的肺動脈収縮期圧 (N-PASP) 測定時のコントラスト (C) 剤の有用性と正確性に関するデータは不明である.【目的】1) C剤はN-PASP測定率を増加させるか, 2) N-PASPは侵襲的 (I-) PASPと比較して正確かを検討する.【方法】前方視的にN-PASPとI-PASPを同時測定した9例を対象とした. N-PASPは連続波ドプラ (CW) 法, 生理食塩液 (NSS) 9mlと空気1mlを撹拌したC法, NSS 8mlと空気1mlと患者血液1mlを撹拌したC法で測定した.【結果】対象の年齢は0.2-10歳 (中央値0.5), 男33%であった. 1)CW法のみで測定: 4例でN-PASP測定が可能であった. N-PASPは23-76mmHg (中央値60) であった. 2)CW法によるN-PASPとI-PASPの同時測定: 3例でN-PASP測定が可能であり, N-PASPは20, 50, 58mmHg, 対応するI-PASPは27, 52, 62mmHgであった. 3)NSSと空気のC剤を用いたN-PASPとI-PASPの同時測定: 5例でN-PASPが測定可能であり, N-PASPは19-70mmHg (中央値51), I-PASPは26-58mmHg (中央値52) であった. 4)NSS・空気・血液のC剤を用いたN-PASPとI-PASPの同時測定: 6例でN-PASP測定が可能であった. N-PASPは19-93mmHg (中央値66), I-PASPは27-69mmHg (中央値59) であり, 両者は良好な相関を示した (p = 0.003, r = 0.96). 全体としてN-PASP 69mmHg以上の場合, 同時測定したI-PASPより高値であった.【結論】小児でもC剤がN-PASP測定に有用な可能性がある. N-PASPが高値の場合は更なる検討を要する.