第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般ポスター(多領域専門職部門)

教育・管理

一般ポスター(多領域専門職部門) 3 (III-TRP3)
教育・管理

2017年7月9日(日) 13:00 〜 13:30 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:三輪 富士代(福岡市立こども病院)

13:00 〜 13:30

[III-TRP3-04] 新人看護師に対するOJTの有効性-内服薬の投与後の経胃管チューブの閉塞によるインシデントからの考察

春日 美緒, 佐藤 里絵子, 新井 聡美, 住友 直方 (埼玉医科大学国際医療センター)

キーワード:インシデント, OJT, 内服管理

【背景】先天性心疾患の治療は、循環作動薬に加え、利尿薬や電解質補正薬の投与が必要である。内服薬投与の場合、経管栄養管理中は経胃管チューブ(以下NGチューブ)からの注入投与であるが、新人看護師がNGチューブの閉塞による内服薬のインシデントを発生させている状況があった。そのため新人看護師のインシデント発生要因を分析後、NGチューブの内服薬の投与方法に関する、配属部署教育(On-the-Job Training;以下OJT)(内服薬の攪拌方法、溶解に使用する白湯の温度・量、実際に閉塞したチューブの様子、NGチューブの閉塞が児に及ぼす影響)を実施した。今回、OJTの実施前後での、チューブの閉塞による内服薬のインシデント発生件数と発生要因の変化を明らかにすることでOJTの有効性について考察した。【目的】NGチューブからの内服薬の投与方法のOJTの有効性について明らかにする。【方法】対象:OJT実施前(2015年5月~2015年8月)と OJT実施後(2016年5月~8月)に発生した、新人看護師のインシデント8件。調査方法:インシデントの集計記録から発生状況を後ろ向きに調査。分析方法:OJT実施前後のインシデントの内容を発生状況から分析し発生要因との関連性について考察。倫理的配慮:院内倫理審査委員会にて承認を得た。【結果】OJT実施前のインシデントは8件、OJT実施後は0件であった。発生要因は、内服薬の攪拌不足、水分の温度不適切、水分量不足であった。OJTでは、実際にNGチューブを用いたチューブ閉塞の体験、内服薬で閉塞したチューブの先端の観察を実施。その後、適切な攪拌方法(水分量・温度)、閉塞が児に及ぼす影響について教育した。【考察】経験不足によるインシデント発生要因を理解し、実際に閉塞の体験による具体的状況を示すことがリスク回避につながったといえる。OJTにおいて、新人看護師の特徴を捉えた実践的教育が必要である。【結論】OJTの実施はインシデント発生防止に有効であった。