第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

電気生理学・不整脈

一般口演07(I-OR07)
電気生理学・不整脈 2

2018年7月5日(木) 10:50 〜 11:40 第4会場 (303)

座長:鈴木 嗣敏(大阪市立総合医療センター 小児不整脈科)
座長:籏 義仁(昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)

[I-OR07-04] 当院における通常型房室結節回帰性頻拍に対する冷凍アブレーションの高周波アブレーションとの比較

芳本 潤, 金 成海, 満下 紀恵, 新居 正基, 田中 靖彦 (静岡県立こども病院 循環器科)

キーワード:冷凍アブレーション, 高周波アブレーション, 房室結節回帰性頻拍

【背景】2016年に全国に先駆けて通常型房室結節回帰性頻拍(Common AVNRT)に冷凍アブレーション(CRYO)を行い、以後第一選択手技としている。【目的】common AVNRTに対するCRYOの有用性を検討する。【対象】2009年11月から2017年12月までに当院で行った正常心構造のcommon AVNRTに対するアブレーション症例。【方法】手術記録を元にした後方視的検討【結果】対象期間中31例37件のアブレーションを行っていた。高周波アブレーション(RF)は26件、CRYOは11件であった。男女比は15:21、年齢は中央値12.0歳(1.6-17.3)体重は中央値39.6kg(12.7-67.2)二群間に年齢、性別、身長、体重の差は無かった。手技時間はRFCAで平均157.42分、CRYOで125.63分と有意に短かった(p=0.012)。透視時間は二群間で差はなかった。(CRYO 9.5分 vs. RF 11.72分 p=0.381).再アブレーションはCRYO2例(18%), RF 4例(15%)と二群間で再発率に差はなかった(p=0.834)。CRYOでは再発例では手技時間が長かった(平均値:成功例119分、再発例153分, p=0.03)。左前斜位像においてHis電位記録部位(His)からアブレーションカテーテル先端(A)までの距離をHisから冠状静脈洞入口部(CSos)までの距離で除したものをHis-CSos面に投影する形で補正したものをAblation Hight Index(AHI)とし二群間で比較したところ、有意にCRYOにおいてAHIは小さかった(RFCA 0.625(0.348-0.865) vs CRYO0.454(0.326-0.597) p=0.002)しかし二群でAHIから再発の有無は予測出来なかった。【考察】我々のcommon AVNRTのアブレーションにおいてはCRYOとRFの間で再発率に有意差はないが、CRYOの方が全体の手技時間が短くなった。AHIでみるとRFよりもCRYOが有意に小さく、His束の近傍でアブレーションを行っており、これがCRYOの非劣性につながっていると考えられた。【結論】Common AVNRT に対しCRYOを用いることでRFと同等の効用をより短い手技時間で行う事ができる。