[I-YB01-4] 純型肺動脈閉鎖の長期予後:積極的二室修復とその遠隔期再介入
キーワード:右室低形成, 肺動脈弁形成術, 成人先天性心疾患
【背景】純型肺動脈閉鎖症(PAIVS)は右室容積と右室依存性冠循環の有無によりその治療計画は単心室循環・One and a half(1.5室)循環・二室循環に大別される。右室容積>60%対正常と右室非依存性冠循環であれば積極的な二室修復を基本方針としてきたがその遠隔期に再介入を必要とする症例も散見される。
【方法】1986年以降治療したPAIVS(僅少順行性血流のcritical PSを含む)110例中、観察可能だった96例の生存率・遠隔再介入率を検討した。
【結果】P弁輪径4.9mm(1.0―9.6):Z値-3.30(-15.15―1.83)、T弁輪径10.1mm(4.4―18.2):Z値-0.70(-4.65―2.33)、RV拡張末期容積33.9ml/m2(1.0―128.6):91%対正常値(3―350)であった。右室冠動脈瘻は35%、右室依存性冠循環は15%に合併した。初期方針で二室修復とした63例中、カテーテル治療55例、外科治療8例であった。二室修復到達58例(95%)、1.5室修復3例、外科周術死2例だった。初期方針で単心室修復とした32例中、Fontan術到達16例(48%)、Fontan術待機6例、Fontan術待機中死亡9例、二室修復変更1例だった。観察期間720人年において1年、10年、20年生存率は二室群:93%、93%、93%および単心室群:79%、67%、67%であり(P<0.001)、単心室群ではFontan到達までの死亡が多く、また遠隔死1例(PLE)を経験した。10年、20年再介入回避率は二室群:41%、29%および単心室群:72%、72%と二室群では遠隔期の再介入が多かった(P<0.001)。二室群の遠隔期再介入は肺動脈弁置換2例、右室流出路形成1例、心房中隔欠損閉鎖6例であり、P弁輪径Z値(HR0.77、95%信頼区間0.61―0.96)がリスク因子であった。単心室循環の遠隔期再介入はカテーテル治療2例であり有意なリスク因子はなかった。
【考察】二室修復では高い生存率を維持するが、遠隔期において繰り返す肺動脈弁形成が必要であったり予期せぬ心房間短絡への対応を必要とした。
【方法】1986年以降治療したPAIVS(僅少順行性血流のcritical PSを含む)110例中、観察可能だった96例の生存率・遠隔再介入率を検討した。
【結果】P弁輪径4.9mm(1.0―9.6):Z値-3.30(-15.15―1.83)、T弁輪径10.1mm(4.4―18.2):Z値-0.70(-4.65―2.33)、RV拡張末期容積33.9ml/m2(1.0―128.6):91%対正常値(3―350)であった。右室冠動脈瘻は35%、右室依存性冠循環は15%に合併した。初期方針で二室修復とした63例中、カテーテル治療55例、外科治療8例であった。二室修復到達58例(95%)、1.5室修復3例、外科周術死2例だった。初期方針で単心室修復とした32例中、Fontan術到達16例(48%)、Fontan術待機6例、Fontan術待機中死亡9例、二室修復変更1例だった。観察期間720人年において1年、10年、20年生存率は二室群:93%、93%、93%および単心室群:79%、67%、67%であり(P<0.001)、単心室群ではFontan到達までの死亡が多く、また遠隔死1例(PLE)を経験した。10年、20年再介入回避率は二室群:41%、29%および単心室群:72%、72%と二室群では遠隔期の再介入が多かった(P<0.001)。二室群の遠隔期再介入は肺動脈弁置換2例、右室流出路形成1例、心房中隔欠損閉鎖6例であり、P弁輪径Z値(HR0.77、95%信頼区間0.61―0.96)がリスク因子であった。単心室循環の遠隔期再介入はカテーテル治療2例であり有意なリスク因子はなかった。
【考察】二室修復では高い生存率を維持するが、遠隔期において繰り返す肺動脈弁形成が必要であったり予期せぬ心房間短絡への対応を必要とした。