日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題C】 体育・スポーツ健康科学は学校保健体育の進展にいかに貢献できるか

学校保健体育研究部会【課題C】口頭発表③

2022年9月1日(木) 14:00 〜 15:03 第11会場 (2号館4階46教室)

座長:柏木 悠(専修大学)

14:00 〜 14:15

[学校保健体育-C-09] ボール運動系領域におけるICT機器活用に関する研究(2)(教)

*藤田 育郎1 (1. 信州大学教育学部)

本研究は、ボール運動・球技領域を対象として、学習者の「できる」と「わかる」を結びつけることに貢献し得るICT活用の視点について、実際の授業実践の成果から探究していこうとするものである。
本研究の第一報において、ネット型・連携プレイタイプのゲームを対象としたゲーム記録アプリケーションの開発を試み、それを活用した小学校5年生を対象とする授業実践の成果について検討した。その結果、単元を通したゲームパフォーマンスの向上が見られ、ゲーム記録アプリを用いた作戦タイムにおける子どもたちのコミュニケーションの内容も単元経過とともに課題解決に直結する内容が増加していくことが確認できた。一方で、単元を通して活用することでゲーム記録アプリの課題点も明らかになった。課題として挙げられたのは、ゲーム記録アプリの機能面の充実などであった。
第二報である本報告においては、開発中のゲーム記録アプリを活用した中学校3年生を対象とするネット型・連携プレイタイプのゲームの授業実践の成果について検討した。任意に抽出した1チームを対象として、ゲームパフォーマンスおよび作戦タイムにおける発言内容を集約し、作戦タイムにおける発言内容が実際のゲームパフォーマンスにどのように反映されているかを事例的に検討した。その結果、単元の進行に伴うゲームパフォーマンスの向上が確認できた。また、このことの背景には、生徒たちがゲーム記録アプリを活用することによって自チームのプレイの実態を認識するとともに、課題解決に向けて創出されたプレイの仕方やアイデアがゲームパフォーマンスに反映されていたことによるものであることが確認できた。これらのことより、ゲーム記録アプリの活用はネット型・連携プレイタイプのゲーム学習に一定の効果を有していることが確認できたと考えられる。