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[学校保健体育-B-05] 中学校体育に対する嫌悪感特性(測)
大学生が思う体育授業に対する好嫌度との関連
本研究は、体育嫌いに繋がる要因について幅広い視点から検討し、大学生を対象に、中学校体育に対する嫌悪感要因を明らかにすることを目的とした。対象はG県の大学・短期大学に在学する大学生、大学院生および短期大学生278名(男子143名、女子133名)であった。調査方法は、先行研究より体育嫌いの生起にかかわると考えられる諸要因を抽出し、5要因(運動意欲、自己の能力の低さ、比較・評価、指導者への不信感、授業に対する嫌悪感)77項目で構成される質問紙を用いて、調査を実施した。そして、中学校体育に対する嫌悪感に関する因子構造を検討するため、因子分析(斜交回転プロマックス法)を適用し、全因子得点を算出した。また、体育授業に対する嫌悪感要因の性差および体育授業の好嫌度による違いを検討するため、二要因分散分析(性×好嫌度)を適用した。因子分析の結果より、6因子(運動劣等感、教師の指導方略、スキル獲得能力、運動環境、他者評価、非難体験)が抽出された(累積寄与率:61.84%)。二要因分散分析の結果より、6因子全てにおいて、性および体育授業の好嫌度に有意な交互作用は認められなかった。性別においては他者評価因子のみ有意な主効果が認められ、女子は男子よりも評価に対して特に嫌悪感を抱くことが示唆された。そして、体育授業の好嫌度においては6因子全てに有意な主効果が認められた。非難体験因子を除く5因子において、体育授業への愛好的態度の低い者が高い得点を示したことから、愛好的態度が低い者は、授業場面での成功体験の少なさから運動劣等感を抱いたり、教師の指導に対して否定的感情を抱いたりと、体育授業の様々な要因に対して嫌悪感を抱きやすいことが示唆された。一方で、非難体験因子のみ体育授業への愛好的態度の高い者が高い得点を示したことから、愛好的態度の高い者は仲間からの指摘に敏感に反応する傾向があることが示唆された。