日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

講演情報

テーマ別研究発表

競技スポーツ研究部会 » 【課題B】 競技スポーツにおけるコーチ養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題B】口頭発表①

2022年9月1日(木) 09:00 〜 10:19 第3会場 (3号館4階402教室)

座長:田井 健太郎(群馬大学)

09:16 〜 09:31

[競技スポーツ-B-02] 継続的に集積可能な心拍数データに関する実践研究(方,測)

大学女子テニス選手を対象に

*長久保 大樹1、福家 瑠都2、河村 剛光3 (1. 順天堂大学大学院、2. 順天堂大学大学院、3. 順天堂大学)

【背景】これまでのテニス競技指導現場では、基礎運動能力を把握するためのフィールドテストや、スキルやゲーム特性を分析するための映像分析が多く行われてきた。これらは、特定の限られた場面において集積されたデータであり、縦断的にデータを集積することは手間と莫大な時間がかかる事から敬遠されてきた。しかし、近年ではウェアラブルデバイスの進化により、データ集積に伴う時間の短縮が可能となった。本研究では、日々のトレーニングやゲーム時に心拍センサーを選手に装着させ、指導者がコーチングを行う上で必要なデータの取り方を指導現場における実践から明らかにする事を目的とした。また、その中で、できる限り負担なく現場から継続してデータ集積するための方策についても検討していく。【方法】関東大学テニス1部リーグ所属女子選手18名を対象に、日々のトレーニングおよびゲーム時においてウェアラブルな心拍センサーを装着し、継続したデータ集積を行った。測定期間は、被験者に対して使用方法等のレクチャー後、1週間のテスト装着期間を経て、15日間実施した。その間、研究者からの機器の装着の指示やリマインドに関してのアナウンスは一切行わない事とし、選手のデータ収集状況を調査した。【結果と考察】15日間の測定期間において、平均して12.2±1.2日間の測定が実施された。また、測定実施日数に対し正常にデータ集積が行われた割合は78.2±14.8%となった。比較的継続してデータを集積する事が可能であった一方、一定数の測定不備が確認された。正常にデータ集積が行われなかった理由として、「装着後のデバイス動作不良」「デバイスの電池切れ」等が挙げられた。今後は、より長期的に調査を行い、継続的な集積を可能とする方策や留意点を明らかにしていく必要がある。そして、トレーニング時とゲーム時、競技レベル別における心拍数の差異についても明らかにする。