日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題C】 ハイパフォーマンススポーツ(トップレベルの競技スポーツ)におけるトレーニングをいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題C】口頭発表①

2022年9月1日(木) 14:00 〜 15:03 第3会場 (3号館4階402教室)

座長:中村 泰介(大阪大谷大学)

14:16 〜 14:31

[競技スポーツ-C-02] サッカーゲームにおける速攻プレー特性の測定(測)

*松岡 弘樹1、安藤 梢1、西嶋 尚彦1 (1. 筑波大学)

サッカーゲームにおける攻撃プレーの高速化が進展している。サッカーの体力・技術・戦術トレーニングをデータ主導型で計画的に推進するためには、サッカーゲームにおける速攻プレー特性を測定することが必要である。本研究の目的は、UEFAチャンピオンズリーグ(UEFACL)における速攻プレー特性を明らかにすることであった。【方法】UEFACL2018-19から2020-21までの3シーズンの準々決勝、準決勝決勝から、ワイスカウトのカウンターアタックに分類される75速攻プレー映像を収集した。Dartfishを使用してボール移動から速攻プレー特性項目を測定した。ハーフライン(HL)から30mラインまでの22.5m区間(30mL)と、30mLからペナルティエリアまでの13.5m区間(PA)における縦移動区間速度(m/s)を測定した。速攻プレーの技能要因としてドリブル距離(m)とスルーパス距離(m)、プレー位置要因として相手ゴールからの距離(m)を測定した。分散分析と多重比較検定を適用して、シーズン要因とプレー区間要因(30mL, PA)の効果を分析した。有意水準はP<0.05とした。【結果】 プレー区間(30mLとPA)とシーズンを要因とした二元配置分散分析の結果、2018-19と2019-20の2シーズンにおいて30mLからPAまでの区間の縦移動速度が有意に低下したが、2020-21シーズンでは30mLからPAまでの区間の縦移動速度が維持された。一元配置分散分析の結果、2019-20シーズンと比較して2020-21シーズンの速攻プレーのドリブル距離は有意に長く、過去2シーズンと比較して最も相手ゴールから遠い位置から速攻プレーが開始された。2020-21シーズンの速攻プレーのスルーパス距離は2018-19シーズンと比較して短い距離であり、スルーパス位置は過去2シーズンと比較して最も相手ゴールに近い位置であった。【結論】UEFACL2018-19から2020-21までの3シーズンにおける速攻プレー特性は、HLからPAまでのプレー速度が維持され、速攻プレーの技能要因として相手のゴールから遠い位置から開始した長いドリブルと短いスルーパスから構成されていた。