日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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キーノートレクチャー

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介護予防・健康づくり/キーノートレクチャー/メディカルフィットネス vs EIM (Exercise Is Medicine)

2022年9月2日(金) 10:00 〜 11:00 第11会場 (2号館4階46教室)

司会:久野 譜也(筑波大学)

[14介-レクチャー-1] メディカルフィットネス vs EIM (Exercise Is Medicine)

*田中 喜代次1 (1. 筑波大学)

<演者略歴>
大阪市立大学講師 1983 筑波大学講師1989 筑波大学助教授1993 筑波大学教授2004
筑波大学名誉教授2018 日本介護用・健康づくり学会会長 日本体力医学会理事 
アメリカスポーツ医学会フェロー
先天的な身体的障害、後天的な抱病となっても、従病の精神で生き抜くメンタリティを保持し続けることが肝要です。運動・スポーツや体力つくり活動は、競技力向上や体力増進に向けて苦しむものではなく、生きている実感を味わいながら謳歌するもので、life enjoymentが目的と言えましょう。健幸華齢、達老人生、元気長寿を達成するには、運動・スポーツを家族や友人、隣人、職場仲間らとともに大いに楽しむことが重要で、筆者はExercise is Medicineよりも、Exercise for Life Enjoyment (ELE) という視点を持ち、メディカルフィットネスの醸成を提唱しています。
 未病は病気と健康の間、つまり病気の源が存在するものの症状が出ておらず、治療をしなければ病気を発症する可能性があるという状態を指しているようです(日本未病システム学会)。標準(国民の平均)と比べて、太っている/痩せている、体力や検査値の高値/低値に一喜一憂するよりも、本人たちも医療者も日々の楽しみとして運動・スポーツを実践できている事実を観る(診る)べきしょう。高齢で元気に日常生活を過ごせている場合、ELEの実現、QoLの保持、EoLの充実と言えるでしょう。