[03心-レクチャー-2] トップアスリートへの心理支援の実際と提言
東京2020大会での心理支援事例と引退後の心理的キャリア支援研究成果
<演者略歴>
米国Saint Mary's College大学院修士課程修了。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科博士後期課程単位取得退学。博士(システムデザイン・マネジメント学)。現在、慶應義塾大学特任准教授、国際オリンピック委員会(IOC)マーケティング委員。
米国Saint Mary's College大学院修士課程修了。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科博士後期課程単位取得退学。博士(システムデザイン・マネジメント学)。現在、慶應義塾大学特任准教授、国際オリンピック委員会(IOC)マーケティング委員。
五輪やパラリンピックを目指す一流選手の多くは自国のスポーツ政策で作られた成功戦略の中で育成されている。近年の戦略において競技力向上を続ける選手は多面的(心理、社会、就業、就学、金銭などの)支援が必要とされている。支援の一つである心理支援においては選手の現役中の競技力向上やメンタルヘルスのための心理支援だけでなく引退後にも心理的キャリア支援が必要であることが国際オリンピック委員会による五輪選手への調査などで明らかになっている。演者は東京2020大会において様々なアスリートの心理支援にスポーツメンタルトレーニング指導士として関わった。また2021年には五輪選手の引退後の心理課題を解決するための自助支援を設計評価した博士論文によりシステムデザイン・マネジメントの学位を取得した。本キーノートレクチャーでは、東京2020大会での実力発揮のための心理支援であったメンタルトレーニングの事例紹介と、システムズエンジニアリングの手法を用いた心理的キャリア支援についての研究を紹介する。最後に演者がこれまでおこなってきた実践と研究両面から明らかになった一流選手の心理課題への解決策について提言する。