14:56 〜 15:11
[11教-口-06] 多様な楽しみ方から生徒が選択して学習するランニング実践に関する研究
「態度」の変容に着目して
ランニングは保健体育授業において不人気な運動の代表格である。橋本(2007)は、「ランニングが嫌いな人は、どこかの時点で嫌いになるような経験(学習)をしたわけで、生まれもって嫌いだったわけではない」と述べている。また佐藤・藤田(2010)は、小学生よりも中学生の方がよりランニングに否定的な態度であることを明らかにしている。そこで本研究は、 そういった現状を改善するために、ランニングの多様な楽しみ方から、生徒が自ら選択して学習するランニング実践を、中学2年生を対象にして行い、その効果を社会心理学で用いられる態度で評価することを目的とした。
2021年11月に東京都のH中学校で、達成・競争コース、距離・時間克服コース、ジョギングコース、健康コースの4つのコースから選択するランニング学習を6時間計画で実施した。増田ほか(1988)が作成した質問紙を用い、単元学習開始前と終了後に生徒が回答したものを分析した。その結果、全ての生徒、ランニング嫌いな生徒ともに、快的感情と認知的成分は向上し、不快的感情と非行為傾向は低下した。行為傾向に差は見られなかった。またランニングに否定的な感情をもっていた生徒の約86%が、今回の実践を来年度も実施したいと支持した。これらのことから、本実践はランニング嫌いをなくし、ランニング好きを育てることに一定の効果を示したと言える。
中学校学習指導要領解説保健体育編の例示を根拠にして、長距離走、あるいは持久走として限定しないで、生徒が多様な楽しみ方から選択し、自己決定しながら学習するランニング実践の可能性が示唆された。ただし、本実践は中学2年生のみを対象としており、小学校から高等学校まで継続して実践し、検討することが課題として残された。
2021年11月に東京都のH中学校で、達成・競争コース、距離・時間克服コース、ジョギングコース、健康コースの4つのコースから選択するランニング学習を6時間計画で実施した。増田ほか(1988)が作成した質問紙を用い、単元学習開始前と終了後に生徒が回答したものを分析した。その結果、全ての生徒、ランニング嫌いな生徒ともに、快的感情と認知的成分は向上し、不快的感情と非行為傾向は低下した。行為傾向に差は見られなかった。またランニングに否定的な感情をもっていた生徒の約86%が、今回の実践を来年度も実施したいと支持した。これらのことから、本実践はランニング嫌いをなくし、ランニング好きを育てることに一定の効果を示したと言える。
中学校学習指導要領解説保健体育編の例示を根拠にして、長距離走、あるいは持久走として限定しないで、生徒が多様な楽しみ方から選択し、自己決定しながら学習するランニング実践の可能性が示唆された。ただし、本実践は中学2年生のみを対象としており、小学校から高等学校まで継続して実践し、検討することが課題として残された。