日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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測定評価 ポスター発表

2022年9月2日(金) 11:40 〜 12:20 第一体育館バスケ3 (第一体育館バスケ)

[08測-ポ-10] 2つの測定値を持つパフォーマンステストの評価法

バスケットボールのフィールドゴールテスト

*青柳 領1、小牟礼 育夫1、田方 慎哉2、長嶺 健1 (1. 福岡大学スポーツ科学部、2. 日立ハイテククーガーズ)

【緒言】ボール競技のスキルテストでは、敏捷性を測定するために所要時間を測定すると同時に、「より正確に的に当たったか」や定められた動作がより効果的に行えるかという成果を同時に記録する場合がある。通常、両者は独立した項目として別々に評価される。しかし、本来1つのパフォーマンスの評価であれば、総合的な評価が行われるべきである。本研究では、シュート回数とゴール数の2つの測定値を持つフィールドゴールテストを対象に、バスケットボール部員とそうでない者を基準とした総合的な評価法について検討する。【研究方法】対象はF大学スポーツ系学部でバスケットボールの授業を履修している学生300名で、その中には22名のバスケットボール部員が含まれている。フィールドゴールテストは、ゴール下の好きな場所から30秒間にできるだけ多くシュートし、リバウンドは各自で回収することとした。シュートはゴールした場合は3点、リングにあたったがゴールしない場合は2点、ゴールしない場合は1点とした。得られた「回数」と「得点」を独立変数としてロジスティック回帰分析を行い、その予測された確率に基づいた、「回数」と「得点」からなる2元配点表を作成した。【結果および考察】「回数」と「得点」の2つの独立変数を含むモデルと定数項のみのモデルの尤度比検定の結果、有意(χ2=104.8, df=2, p<0.001)であり、各々偏回帰係数は「得点x1」が0.653、「回数x2」が-0.816、定数項が-20.219であった。P=1/(1+exp(-z)), z=0.653x1-0.816x2-20.219のPを用いた評価が考えられる。得られたROC曲線からは極めて弁別力が高いことが示されたが、本データから求められた評価点の分布は低評価の者が多く、高評価が少なかったので、最終的には、pに対数変換したln(p) を得点とした、「回数」と「得点」からなる2元配点表を作成した。