日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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アダプテッド・スポーツ科学 ポスター発表

2022年9月2日(金) 13:00 〜 14:30 第一体育館バレーボール3 (第一体育館バレーボール)

[13ア-ポ-05] アンプティサッカーのゲーム中の方向転換に対する定性評価

FW選手2名のパイロットスタディから見えた特徴と課題

*宮本 彩1、仙波 慎平2 (1. 環太平洋大学体育学部健康科学科、2. 環太平洋大学体育学部体育学科)

【背景】アンプティサッカーの競技シーンでは、対戦相手選手とのボールやスペースをめぐる攻防においてターンやカッティング等の方向転換が観察できるが、未だ評価した研究はない。そこで、本研究の目的は、アンプティサッカーにおける試合映像を基にした定性評価を行い、ゲーム中の方向転換の実態把握を試みることであった。
【方法】ピッチ全体を斜め上方より撮影した映像を基に、分析者2名で評価を行った。本研究では、分析対象選手のボール保持時、アウトオブプレー時および静止状態からの動き出しは分析から除外することとした。評価対象はFW選手2名の試合前半(20分間;インプレー時間13分02秒)とした。評価手順としては、評価対象の選手の動きをコマ送りで確認していき、①方向転換が確認された時間、②方向転換の向き、③移動方向の変化パターン、④方向転換に要した歩数(クラッチをついた回数も含む)を記録した。分析者両名の評価が一致したもののみを結果として採用した。
【結果・考察】方向転換の回数はA選手が62回、B選手が45回であった。方向転換の向きについては、切断足側への方向転換の方が多い傾向(約60%)であった。また、移動方向の変化パターンは、前から横が最も多く(約70%)、その他には前から後やバックステップからの方向転換(後から横あるいは後から前)が見られた。一方、方向転換に要した歩数については分析者間での一致率が50%以下と、評価の精度を欠く結果となった。本研究の試行により、アンプティサッカーFW選手の試合中の方向転換に関する特徴の一端を明らかにすることができた。その一方で、1名の選手の評価に相当な時間を要する上、方向転換に要した歩数とクラッチをついた回数を事細かく記録していくことは容易ではないなど、定性評価の方法に関する課題も浮き彫りとなった。