日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題A】トップアスリート養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題A】テーマ別シンポジウム/トップアスリート養成の拠点としての大学の意義と問題点Ⅲ―トップアスリートの高等学校から大学への接続に着目して―

2023年8月30日(水) 13:50 〜 15:50 RYB1 (良心館地下1階RYB1番教室)

コーディネーター:荒井 弘和(法政大学)、田原 陽介(青山学院大学)

[競技スポーツ-SA-2] 高校大学期におけるスポーツとの関わり方

部長教員の視点から

*木内 敦詞1 (1. 筑波大学)

<演者略歴>
筑波大学体育専門学群卒業、同大学院修士課程体育研究科コーチ学専攻修了。大阪工業大学助手、講師、准教授を経て、2014年より現職。博士(教育学、九州大学)。筑波大学体育スポーツ局大学体育部門長、硬式野球部長。首都大学野球連盟理事。全国大学体育連合常務理事、研究部長。日本スポーツ体育健康科学学術連合監事。
競技とそれ以外の生活の調和を表す「スポーツ・ライフ・バランス」(荒井ほか、2018)。これを実現する学生アスリートの育成は、大学スポーツ界にとどまらず高等教育全体の課題、さらには社会的課題とさえ言える。近年発覚した東京五輪汚職事件などは、スポーツとの関わり方を見直すべき対象が、アスリートやその指導者限定のはずがないことを示している。私たちスポーツ関係者は、スポーツが人や組織、地域や国を育てる力を持っていると信じているものの、それを裏づけたり効力を高める方略については、十分な知見集積に至っていない。
 シンポジウムでは、学生アスリートのスポーツ・ライフ・バランスの実現へ向けた展望と現状について論じる。具体的には、現場で指導する監督・コーチではなく部長という立場で約30年、大学スポーツに関わってきた私自身の体験と、これまでの限られた学術的な知見の整理を試みる。スポーツといかに関わることが人としての成長につながるのか、幸せにつながるのか、社会の発展につながるのか。参加者のみなさんとともに考えたい。