日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題A】トップアスリート養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題A】口頭発表②

2023年8月30日(水) 10:20 〜 11:19 RYB2 (良心館地下1階RYB2番教室)

座長:永野 康治(日本女子体育大学)

10:35 〜 10:49

[競技スポーツ-A-06] オリンピック選手におけるDRD2遺伝子rs7131056多型の頻度(生)

*上妻 歩夢1、本間 洋樹1、齋藤 未花1、出口 実1、膳法 浩史2、松本 隆太郎3、松本 慎吾1、岡本 孝信1、中里 浩一1、菊池 直樹1 (1. 日本体育大学、2. 東京聖栄大学、3. 育英大学)

【背景】エリートアスリートのメンタルヘルスに関連するメタ分析では、不安症やうつ病の有病率が34%であることが報告されており、一般者を対象とした研究よりも高い傾向がある。メンタルヘルスは、遺伝的要因が関与していることが示唆されている。その中でもドーパミン受容体D2(DRD2)遺伝子多型は、複数の研究で検討されており、DRD2遺伝子rs7131056多型のAアレルの頻度は、うつ病患者で高いことが報告されている。一方で、エリートアスリートを対象にメンタルヘルスに関連する遺伝子多型との関連性を検討した研究は少ない。そこで、本研究では、オリンピック選手を対象にDRD2遺伝子rs7131056多型頻度についてコントロール群と比較することを目的とした。【方法】対象者は、オリンピック選手38名(男性33名、女性5名)、コントロール群202名(男性98名、女性104名)とした。オリンピック選手の競技は、ウエイトリフティング(19名)とレスリング(19名)であった。Oragene-DNA kitを用いて唾液を採取し、DNAの抽出を行った。DRD2遺伝子rs7131056多型の解析は、ジャポニカアレイv2(TOSHIBA 社製)を用いて実施した。統計処理は、カイ二乗検定を用いた。【結果】DRD2遺伝子rs7131056多型のCC、CA、AA型の頻度は、コントロール群で38%(77名)、44%(89名)、18%(36名)であり、オリンピック選手では24%(9名)、37%(14名)、39%(15名)であった。コントロール群とオリンピック選手の多型頻度の比較において、genotypeおよびRecessiveモデル(CC + AC vs AA)で有意差が認められた(p = 0.009、p = 0.002)。【結論】オリンピック選手において、DRD2遺伝子rs7131056多型のAA型の頻度が有意に高いことが示唆された。