日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題C】体育・スポーツ健康科学は学校保健体育の進展にいかに貢献できるか

学校保健体育研究部会【課題C】口頭発表③

2023年8月31日(木) 09:00 〜 09:59 RY202 (良心館2階RY202番教室)

座長:木島 章文(山梨大学)

09:45 〜 09:59

[学校保健体育-C-12] 小学生の社会情動的スキルと体力・運動能力との関係(教,発)

*山田 淳子1、松田 繁樹1、辻 延浩1 (1. 滋賀大学)

近年、日本の学校教育において児童期の社会情動的スキルの獲得や向上の重要性が認識されてきている。先行研究では、社会情動的スキルと同義として位置づけられている非認知能力は、幼児において体力・運動能力と密接な関係があると報告されている。しかし、児童を対象に社会情動的スキルに関連する要因を検討している研究は極めて少ない。そこで本研究は、小学生(3~6年生)における社会情動的スキルと体力・運動能力との関係を明らかにすることを目的とした。対象は、2022年に滋賀県の公立小学校に在籍していた3年生~6年生の児童788名(男子407名、女子381名)であった。体力・運動能力は、新体力テスト(文部省、2000)の8項目を測定した。社会情動的スキルは、「自尊心」、「思いやり」、「社交性」、「敬意」、「自己制御」、「目標への情熱」、「忍耐力」の7因子21項目から成り立つ小学生用・社会情動的スキル評価尺度(山田ほか、2023)を用いて、5件法での回答を得た。まず得られた社会情動的スキルの因子構造を検討するため、因子分析(プロマックス回転最尤法)を適用し、7因子の存在を確認した。次に、社会情動的スキル21項目の合計得点および各因子(3項目)得点と体力合計得点および各測定項目間の関係について、「年齢」の影響を考慮した偏相関係数を算出し検討した。結果、男子はいずれの学年においても社会情動的スキル合計得点と体力合計得点に有意な相関が認められた。また、女子は5、6年生において、社会情動的スキル合計得点と体力合計得点に有意な相関が認められた。特に6年生においては男女とも、すべての社会情動的スキルの各因子得点と体力合計得点に有意な相関が認められた。以上より、小学生の社会情動的スキルと体力・運動能力には関係があることが示唆された。特に男子および6年生において社会情動的スキルと体力・運動能力の関係が顕著にみられた。