日本歯周病学会60周年記念京都大会

講演情報

一般演題ポスター

検査・診断

一般演題ポスター
検査・診断

2017年12月16日(土) 09:00 〜 17:00 ポスター会場 (さくら)

P-001~P-008
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-006] 侵襲性歯周炎の責任遺伝子NOD2の同定

Association of NOD2 mutations with aggressive periodontitis

須藤 毅顕1,2,岡田 随象3,尾崎 浩一4,浦山 ケビン5,金井 仁弘2,小林 宏明1,御給 美沙1,田中 敏博2,6,和泉 雄一1/Takeaki Sudo1,2,Yukinori Okada3,Kouichi Ozaki4,Kevin Urayama5,Masahiro Kanai2,Hiroaki Kobayashi1,Misa Gokyu1,Toshihiro Tanaka2,6,Yuichi Izumi1 (東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 歯周病学分野1,東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 疾患多様性遺伝学分野2,大阪大学 大学院医学系研究科 遺伝統計学3,国立長寿医療研究センター メディカルゲノムセンター 臨床ゲノム解析推進部4,聖路加国際大学 公衆衛生学 臨床疫学センター5,東京医科歯科大学 疾患バイオリソースセンター6/Department of Periodontology,Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University1,Department of Human Genetics and Disease Diversity, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University2,Department of Statistical Genetics, Osaka University Graduate School of Medicine, Osaka University3,Laboratory for Medical Genome Sciences, Medical Genome Center, National Center for Geriatrics and Gerontology4,Center for Clinical Epidemiology, St. Luke’s International University5,Bioresource Research Center, Tokyo Medical and Dental University6)

研修コード:2504

キーワード:侵襲性歯周炎、エクソーム解析、NOD2

【背景】侵襲性歯周炎(AgP)は,急速な歯周組織破壊を招く劇症型の歯周炎である。家族集積性という特徴から遺伝的背景の存在が示唆されているが,原因遺伝子には不明な点が多い。本研究ではAgP患者を含んだ家系例を対象にエクソーム解析を行い,AgPの遺伝要因を解明することを目的とした。
【方法および結果】東京医科歯科大学附属病院歯周病外来にて本研究への協力を表明したAgP患者99人のゲノムDNAを収集した。AgP患者を複数含む2家系(罹患者5名,非罹患者1名)について,まずidentity-by-descent(IBD)mappingを実施し,責任遺伝子を含むことが予想される32のDNA領域を絞り込んだ。続いて同じ2家系に対しエクソーム解析を実施した。得られた各サンプル約50,000個の遺伝子変異に対して,低depth変異の除去,Insertion/deletionの除去,罹患者に共通した変異以外の除去,同義置換の除去,公共データベースに登録され頻度1%以上のコモンバリアントの除去,の順に絞り込みを実施し,サンガー法にて確認を行った。その結果,NOD2において2箇所のミスセンス変異(p.Ala110Thr,p.Arg311Trp)を同定した。残りのAgP患者94人に対し,NOD2のターゲットリシークエンス解析を行った結果,2名の患者においてp.Arg311Trp変異を認め,新たに3箇所のミスセンス変異(p.His370Tyr,p.Arg459,p.Ala868Thr)を同定した。
【結論】エクソーム解析により,AgPの責任遺伝子NOD2を同定した。