日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

放射線治療 管理

2018年1月20日(土) 17:10 〜 18:00 第2会場 (2階 鳳凰の間(西))

座長:田中 義浩(京都第一赤十字病院)、矢能 稔啓(兵庫県立粒子線医療センター)

17:30 〜 17:40

[42] Cone-Beam Computed Tomography撮像時のガントリ接触事故予防を目的としたアプリケーションの開発

*上原 愛樹1、河淵 聡1、柴田 真佑里1、池信 祐二1、田北 尚也1、高倉 亨1 (1. 医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院)

【目的】放射線治療においてガントリと寝台の接触は怪我や照射の中断につながる重大なインシデントである.近年,画像誘導放射線治療のCone-Beam Computed Tomography (以下,CBCT)が普及したことにより,撮像時にガントリ半回転から1回転分の情報取得を要する場面が多くなっている.接触の事前回避は撮像前にコールドランを行うことで可能であるが,患者拘束時間延長というデメリットが発生する.本研究の目的は,寝台の位置情報を用いてCBCT撮像時のガントリ回転が安全であることを迅速に確認できる方法を開発し,その有用性を示すことである.

【方法】寝台位置・形状情報を用い,寝台の接触が発生するアイソセンタを原点とした放射線治療室内の空間的座標を計算する.接触の判断は,その空間的座標と最もアイソセンタに近い構造物の回転半径を比較することで行った.また,回転半径から50mmから20mmの範囲をWarningエリア,20mm以内の範囲をDangerousエリアとし,その警告に対応する寝台部分とガントリ角度を示す仕様にした.アプリケーションの設計はExcelのVBAを使用することで汎用性を高めた.この計算の正確性を確認するために,接触の可能性がある寝台位置情報の数値を入力し,警告・寝台接触部分・接触ガントリ角度が適切であることを検証した.

【結果】このアプリケーションで表示される警告の設定は安全側に配慮されているため,十分なクリアランスがある場合に無警告を示した.また,警告の判断がされた場合にもその寝台部分やガントリ角度を示すため,それを回避した方法の選択が容易となった.