資源・素材2021(札幌)

講演情報(2021年8月18日付 確定版)

企画講演

【企画講演/募集型企画】 資源探査に関する研究の動向と大規模データプロセッシング

2021年9月15日(水) 09:00 〜 10:50 第2会場 (Webex)

司会:久保 大樹(京都大学)、木崎 彰久(秋田大学)

10:10 〜 10:30

[2K0201-05-04] 土壌ガス分析と電磁探査に基づく地熱地域の断裂帯の検出:インドネシアでの例

○後藤 忠徳1、大場 将平1、山田 勇次2、Mohamad Nur Heriawan3、Irwan Iskandar3、久保 大樹2、柏谷 公希2、小池 克明2 (1. 兵庫県立大学理学研究科、2. 京都大学工学研究科、3. Faculty of Mining and Petroleum Engineering, Bandung Institute of Technology)

司会:木崎 彰久(秋田大学)

キーワード:地中ガス、ラドン濃度、MT探査、比抵抗

地熱地域の土壌ガス中のラドン濃度は、地熱貯留層の分布の指標としてしばしば使用される。地熱貯留層から放出される流体が地下の断裂帯にそって地表付近まで上昇すると、高ラドン濃度異常が観測される。土壌ガス測定は比較的簡便であるので、断裂帯沿いの地熱流体パスの検出において有用である。しかし、ラドン濃度データのみからは断裂帯の位置や規模を特定することはできない。そこで本研究では、物理探査の一種である電磁探査をラドン濃度異常域に適用し、地下構造とラドン濃度の比較から断裂帯の位置や特性把握を試みる。調査地域としては、インドネシアのWayang Windu地熱地域を選んだ。ここではすでに地形解析や掘削による地下構造解析が進んでいるためである。

電磁探査の1つであるMagnetotelluric(MT)探査を本研究では使用する。地熱変質層は通常の地層と比べて著しく低い比抵抗を示すため、MT探査は地熱地域の地下構造可視化によく用いられている。MT探査では自然の地磁気変動とそれによる地下の誘導電場を測定しており、人工信号源などを用意する必要はない。本研究では、Wayang Windu地域において可聴周波数帯MT探査(AMT探査)を実施し、深さ1000m程度までの2次元地下比抵抗構造を明らかにした。その結果、調査地域の深さ約500m以深に低比抵抗層が広がっていることが明らかとなった。これは地熱変質層(粘土が豊富な層)であると思われる。さらに高ラドン濃度域では、この低抵抗層の一部が地表付近(深さ100~200m)まで達していることが認められた。従って、この浅部の帯状の低比抵抗域は断裂帯を現しており、地熱貯留層と地表を繋ぐ流体パスとなっている可能性が示唆される。このように、地熱地帯の蒸気上昇域を効率よく見つけるためには、地球化学的調査と電磁探査の組み合わせが有用であると考えられる。

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