【若手・一般ポスター発表(ショート講演有)】プロセス・素材分野

[2K0409-18-07] （学生発表：修士課程） Ni-Si-Sn三元系状態図の決定とNi-Sn系めっき残渣からの錫とニッケルの分離への応用

○稲玉 侑里子¹、山口 勉功¹ (1. 早稲田大学)

司会：Ilhwan Park（北海道大学）

キーワード：乾式精製、二液相分離、分配比、リサイクル

Ni-Sn-Si三元系の二液相分離を用いて、Ni-Sn系めっき残渣からSnとNiを分離することが可能か、実験を行った。はじめに、試薬を用いた平衡実験で得られた急冷試料の組織観察と各相のSEM-EDSによる組成分析から、1473および1573KにおけるNi-Sn-Si三元系状態図を決定した。本系にはSiをほとんど含まないNi-Sn系の液相と、4.5 mass%Sn以下のNi-Si-Sn系液相の二液相分離が存在することが分かった。温度の上昇に伴い二液相分離の組成範囲は狭くなる傾向を示す。また、Si固相飽和の組成で、Sn相の純度は最大となり、91.4～98.6 mass%Snとなった。次に、Ni-Sn系めっき残渣にSiを添加し、Ni-Si-Sn系の二液相分離を用いて、高純度SnとNi-Si系の液相に分離可能か、1473Kで実験を行った。さらに、Siを含んだSn相から高純度のSnを回収することを目指し、Al₂O₃-CaO-SiO₂系スラグとSn-Si系合金を空気雰囲気、1673Kで保持し、酸化精製によるSnからのSiの除去を試みた。