【若手・一般ポスター発表】環境・リサイクリング分野

[12050-70-12] (学生発表：修士課程)メラミンを用いた塩酸溶液からの白金族金属の高選択沈殿回収

○青木 瞭太¹、松本 和也¹、片桐 洋史²、寺境 光俊¹ (1. 秋田大学、2. 山形大学)

キーワード：白金族金属、ロジウム、自動車触媒、第一級アミン、複素環化合物

ロジウムは産業上重要な白金族金属であり、白金およびパラジウムと共に自動車排ガス浄化触媒に用いられる。ロジウムは極めて高価であるためリサイクル工程において優先的な回収が望まれるが、優先的かつ選択的に回収する実用的な方法は未だ確立されていない。本研究では、メラミンを用いた白金族金属選択沈殿回収法について検討を行った。パラジウム、白金、ロジウムを各5 mM含む6 M 塩酸溶液に、メラミンを添加し、振とうしたところ、ロジウムが95%、他の金属は5%未満というロジウム選択的な沈殿回収が達成された。白金族金属、ベースメタルやランタノイドを含む自動車触媒浸出模擬溶液を用いて沈殿回収実験を行ったところ、ロジウムを高効率・高選択的に回収でき、メラミンはロジウム選択回収に有効であることが示された。回収されたロジウム沈殿を洗浄操作により精製し、塩酸溶液に溶解させ還元を行うことで、純度99％という高純度のゼロ価ロジウムの回収を達成した。ロジウムとメラミンからなる単結晶の構造解析を行ったところ、ロジウム塩化物錯アニオンと複素環がプロトン化したメラミンが特異なイオン結晶を形成していることが判明した。