【若手・一般ポスター発表ショート講演】プロセス・素材分野 (2)

[1306-24-03] (学生発表：修士課程)TG-DTAによるLi₂SO₄-NiSO₄系およびLi₂SO₄-Li₃PO₄系状態図の決定

○松本 拓真¹、桑葉 秀一³、高谷 雄一郎^1,2、所 千晴^1,2、山口 勉功¹ (1. 早稲田大学、2. 東京大学、3. 早稲田大学（現・独立行政法人　石油天然ガス・金属鉱物資源機構）)

司会:安田 幸司(京都大学),松浦 宏行(東京大学）

キーワード：全個体LIB、TG-DTA、二元系状態図、リチウム、ニッケル

EV，HEV，PHV，IoTセンサー用の高容量リチウムイオン電池として，全固体LIBが開発されている．しかし，全固体LIBの効率的なリサイクル方法はまだ確立されていない．したがって，全固体LIBの最適な酸浸出に必要な焙焼温度を解明する必要がある．そのため，Li-P-S-Cl系固体電解質を用いた全固体LIBの焙焼挙動を明らかにすることを目的として，TG-DTAを用いてLi₂SO₄-NiSO₄およびLi₂SO₄-Li₃PO₄擬二元系の状態図の決定を試みた．
本研究により決定されたLi₂SO₄-NiSO₄系の共析反応は572℃，共晶反応は642℃を示し、従来の報告に比べ2～20程度高い値を示したが、状態図の形状は従来の報告と良い一致を示す．また，Li₂SO₄-Li₃PO₄系の共晶反応は572℃，包晶反応（SS_I→L+SS_II）は1113℃，包晶反応（SS_II→L＋SS_III）は1188℃，Li₃PO₄のβ-γ相転移と融点はそれぞれ1174，1218.5℃を示し、従来の報告に比べ3～17℃の範囲で異なりを示したが、液相線や固相線の形状は従来の報告と良く一致した．