【若手・一般ポスター発表ショート講演】プロセス・素材分野 (2)

[1306-24-07] (学生発表：修士課程)複合酸化物を利用した使用済み電極からのイリジウムの回収

○山崎 竣成¹、高田 大和¹、永井 崇¹ (1. 千葉工業大学)

司会:安田 幸司(京都大学),松浦 宏行(東京大学）

キーワード：イリジウム、リサイクル

イリジウム(Ir)は耐食性に優れ、特異な触媒特性を有している。そのため、坩堝や酸素発生用電極などに広く利用されている。しかし、Irの年間生産量は数トン程度と非常に少なく、産出地域も南アフリカなどに偏在し、安定した供給が得られていない。そのためリサイクルによる回収が重要である。リサイクル工程では通常、酸溶液を用いてIrを溶解する必要がある。これは分離精製工程において、溶液中のIrイオンを主な対象としているためである。しかし、Irは化学的に安定であり、溶解には強力な酸を必要とするため環境負荷や危険性が大きい。そのため、強力な酸を使用しない新たなリサイクル方法を開発する必要がある。本研究室では、Ir粉末に前処理を施してIr含有複合酸化物を作製すると、塩酸に対して高い溶解性を示すことが確認されている。そこで、本研究では、酸素発生用電極の触媒中のIrを複合酸化物化させ塩酸に対する溶解性を向上させた。