資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

若手・一般ポスター発表(ショート講演)

ポスター発表ショート講演(高温素材プロセッシング) [9/11(水) PM 第6会場]

2024年9月11日(水) 13:40 〜 14:44 第6会場 (一般教育2号館 3F 302) (一般教育2号館 3F 302)

司会:岸本 章宏 (京都大学)

14:08 〜 14:12

[2607-23-08] 放射性廃棄物の溶融処理に関わるCs2O-Fe2O3-SiO2系融体の粘度測定

○田中 智己1[修士課程]、中西 賢斗1、墨田 岳大1、齊藤 敬高1、中島 邦彦1 (1. 九州大学)

司会:岸本 章宏 (京都大学)

キーワード:放射性廃棄物、減容化、酸化セシウム、粘度、溶融酸化物

東京電力福島第一原子力発電所の事故により発生したCsを含む放射性廃棄物の処分方法の一つとして、高温溶融による減容化処理が検討されている。溶融プロセスの実現性検討のためには、溶融物の粘度情報が必要である一方、Csを含む酸化物融体の粘度に関する知見は限られている。そこで本研究では、Csが付着した鉄筋コンクリートを想定して、Cs2O-Fe2O3およびCs2O-Fe2O3-SiO2系融体の粘度を系統的に測定し、粘度の組成および温度依存性を明らかにすることを目的とした。各種特級試薬を秤量・混合後、白金ルツボに充填し、粘度測定可能な電気炉を用いて試料の粘度を測定した。粘度測定は円筒回転法を用いており、回転速度は60 rpm、温度間隔25 K毎で粘度を測定した。測定の結果、Cs2O-Fe2O3系融体は0.2〜0.8 Pa・s、Cs2O-Fe2O3-SiO2系融体は0.4〜10 Pa・sの粘度であることを明らかにした。また本測定温度域において、粘度の温度依存性はArrhenius型の式で整理できることが明らかとなった。加えて、融体の粘度はSiO2の含有量の増加、およびモル比がCs2O>Fe2O3の場合においてFe2O3の含有量の増加により粘度が増加することが明らかとなった。これは、融体中においてSiO2およびFe2O3が網目状構造の形成に寄与するためと考えられる。