【企画講演】宇宙における資源工学と宇宙資源開発　 ［3/12(水) PM 　第1会場］

[1K0101-04-03] 月資源開発のための月質学と岩石力学

○陳 友晴¹、坂田 郁生¹、和嶋 隆昌² (1. 京都大学、2. 千葉大学)

司会：和嶋　隆昌（千葉大学）

キーワード：月資源開発、月質学、岩石力学、月資源

21世紀に入り，月の開発は世界各国で多くのプロジェクトが進行しており，月と地球の往来、月面の探査、月を含む周辺宇宙空間での通信などに関する技術は急速に進歩している．月面での活動のためには，生活拠点やエネルギー施設などの様々な施設の建設や月現地での資源調達などが必要であり，このような月開発の次のステップはすでに現実味を帯びてきており，具体的な計画を検討する段階となっている．そこで，開発時には考慮しなければならない月の環境についてまとめ，検討のために必要となる月の岩石と月質（月の地質）について概観する．さらに，建築や資源開発のために月で岩石を破砕するのに必要となる岩石力学と関連する技術について概説する。
まず，月の環境は地球とは異なることから，想定されるリスクとその対応を明らかにしなければならない．また，施設の仕様や性能の詳細な検討のためには，実際に月で調達できる資源の種類や量などの見積もりが必要である．月の岩石や月質については刻々と新たな情報が獲得されており，定説や仮説が覆されることもあるので，月開発を安全で効果的に遂行するためには，常に新しい情報に目を向けることが求められている．