日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

口頭発表

[A] 防除(物理的・化学的・その他)

2024年3月29日(金) 09:00 〜 11:30 A会場 (橘)

11:00 〜 11:15

[A-09] ドローンによる青ネギの害虫防除効果の検討

◯松本 匠哉1、川田 千瑛1、佃 晋太朗2、佐野 有季子3、中西 充1、山下 陽子3 (1. 香川県農業試験場、2. 香川県農業経営課、3. 香川県東讃農業改良普及センター)

本県の青ネギ露地栽培では、アザミウマ類やヨトウ類等による被害が問題となっており、現行の動力噴霧器による薬剤散布(慣行散布)では時間と労力を要するため、現場から病害虫防除に対する省力・軽労化が望まれている。そこで、ドローンを利用した農薬散布による防除効果並びに農薬付着量について、慣行散布との比較検討を行った。
まず、防除効果について、ネギアザミウマを対象に、フルキサメタミド乳剤を用いて3か年試験を実施した。その結果、慣行散布と比較して、防除効果はやや劣ったものの十分な防除効果が認められた。農薬付着量試験では、生育期、収穫期において、ジノテフラン液剤および顆粒水和剤を供試し残留農薬分析を行った。その結果、ドローン散布は、慣行散布と比較し付着量は少ない結果となった。
次に、体系防除での防除効果について、上記害虫を対象に、本県防除暦の防除時期等を参考にドローン散布に登録を有する薬剤を選定し、春と秋に2回試験を実施した。その結果、両試験とも慣行散布と同等の防除効果が得られた。農薬付着量試験は前述のとおり行い、ドローン散布は、慣行散布と比較し付着量は少ない結果となった。以上より、ドローン散布は、慣行散布と比較し付着量は少なくなるものの、慣行散布と同等の防除効果があると考えられた。