13:45 〜 14:00
[G-33] キイロショウジョウバエ個体別活動測定システムを用いた雌性先熟表現型の解析
今回、私達は、独自に開発したショウジョウバエ個体別活動測定システムDIAMonDSを用いて、キイロショウジョウバエの性成熟過程の性差について詳細に解析した。キイロショウジョウバエは、雌が早く羽化する、雌性先熟(Protogyny)の表現型を示すが、まず、私達は、その雌雄差が約4時間であることを確認した。次に、遺伝的な解析を行い、雌性先熟表現型を生む分子メカニズムの解明を目指し、雌性先熟表現型において、Sxlの非カノニカルな機能が関わっていることを見出した。更に、この雌性先熟表現型は、蛹化期間の雌雄差に起因しており、蛹期中のrRNAの発現上昇における性差が関与していることが明らかとなった。また、ショウジョウバエは、性的に未成熟な成虫として羽化するが、羽化成虫の性成熟完了の指標として、初交尾に至るまでの期間における雌雄差の解析も行った。その結果、初交尾に至る時間に雌雄差はなく、羽化からの時間で厳密に決められていること、そして、サーカディアンリズムや、初給餌の有無による影響も受けないことが示された。そして、更に、羽化後、非活動期を経て活動量が急激に上昇するが、その時間に明確な雌雄差があることが、明らかとなった。