[P-060-C] 来局女性への妊娠・授乳の聴取に対する薬剤師の抵抗感を減らすための取り組み
【目的】我々は2021年度の本会にて、薬剤師が女性来局者に対して妊娠・授乳を聴取することについて、多くの薬剤師は聴取に躊躇するなど抵抗感を感じていたが、女性患者は特に抵抗を感じていないという結果について報告した。そこで、薬剤師が抵抗感を感じずに妊娠・授乳の聴取を行うためのツール等の運用を開始した。今回は運用前後の薬剤師の対応変化について調査したので報告する。
【方法】2022年3月より、当社薬局11店舗にて、指差しでも患者確認できる妊娠・授乳中カードを作成し、来局した18~40歳の女性患者を対象に、妊娠・授乳状況を聴取した。また妊娠・授乳期の薬剤使用可否支援資材を全店に配備した。4週間後、薬剤師に抵抗感の変化や聴取できなかった理由等をアンケート調査。薬歴より、ツール使用前後での聴取率として、妊娠・授乳確認回数/18~40歳女性患者数(延べ人数)を比較した。
【結果】アンケートは対象者27人全員が回答。妊娠・授乳確認への抵抗感については、減少した20人(74.1%)、元々抵抗感がなく変化なし7人(25.9%)。ツール使用前後4週間での聴取率は使用前18.3%、使用開始後43.7%。24人(88.9%)が今後も使用したいと回答。聴取できなかった理由は手間や失念のほか、妊婦・授乳中の使用には問題がない処方内容だった、聴取しづらい患者だったなどが挙げられた。薬剤使用可否支援資材は監査時・服薬指導時・自己研鑽で16人(59.3%)が役に立ったと回答。「添付文書だけでは確認できない情報があり、疑問点を速やかに解決できた」という意見を得た。
【考察】指差し確認ツールにより、女性患者に配慮して質問出来るようになったことから薬剤師の聴取への抵抗感減少に貢献したことが示唆された。一方で聴取率が4割に留まった理由として、妊娠・授乳中に使用可能な処方の場合では情報収集の優先順位が低くなる等の新たな背景が見られたことから、確認タイミングなどの工夫も検討する必要がある。
【方法】2022年3月より、当社薬局11店舗にて、指差しでも患者確認できる妊娠・授乳中カードを作成し、来局した18~40歳の女性患者を対象に、妊娠・授乳状況を聴取した。また妊娠・授乳期の薬剤使用可否支援資材を全店に配備した。4週間後、薬剤師に抵抗感の変化や聴取できなかった理由等をアンケート調査。薬歴より、ツール使用前後での聴取率として、妊娠・授乳確認回数/18~40歳女性患者数(延べ人数)を比較した。
【結果】アンケートは対象者27人全員が回答。妊娠・授乳確認への抵抗感については、減少した20人(74.1%)、元々抵抗感がなく変化なし7人(25.9%)。ツール使用前後4週間での聴取率は使用前18.3%、使用開始後43.7%。24人(88.9%)が今後も使用したいと回答。聴取できなかった理由は手間や失念のほか、妊婦・授乳中の使用には問題がない処方内容だった、聴取しづらい患者だったなどが挙げられた。薬剤使用可否支援資材は監査時・服薬指導時・自己研鑽で16人(59.3%)が役に立ったと回答。「添付文書だけでは確認できない情報があり、疑問点を速やかに解決できた」という意見を得た。
【考察】指差し確認ツールにより、女性患者に配慮して質問出来るようになったことから薬剤師の聴取への抵抗感減少に貢献したことが示唆された。一方で聴取率が4割に留まった理由として、妊娠・授乳中に使用可能な処方の場合では情報収集の優先順位が低くなる等の新たな背景が見られたことから、確認タイミングなどの工夫も検討する必要がある。