第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2023年10月9日(月) 14:00 〜 14:40 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-035-B] 「患者のための薬局ビジョン」実現に向けた、かかりつけ薬剤師・「担当薬剤師」制度

佐藤 良美1,2, 山田 哲也1,2, 黒岩 志穂1, 田中 智絵1, 石井 雅雄1, 菊池 秀樹1,2, 岡本 純一郎1,2, 加藤 耕次1,2 (1.(株)加藤, 2.(有)リベルテ)

【目的】
2015年に発表された「患者のための薬局ビジョン」において、かかりつけ薬局が地域で暮らす患者本位の医薬分業の実現に取り組むことが求められた。加藤薬局グループ(以下、弊社)においても地域のかかりつけ薬局となるべくかかりつけ薬剤師制度に対し積極的に取り組む必要性がある。要件を満たしていない薬剤師においても将来的にかかりつけ薬剤師となり地域貢献できるということを見据え、弊社独自の「担当薬剤師」制度を導入することとした。
【方法】
「担当薬剤師」制度を行うにあたり、かかりつけ薬剤師と「担当薬剤師」の薬剤師名を表記したポスターを店舗内に掲示し、患者自身が選んで頂けるようにした。特に薬のアドヒアランスの悪い患者や薬に変更があった患者には積極的に専属の薬剤師を持つメリットを説明した。また、のぼり旗やLINEの活用、ブラックボードの設置等を行い「担当薬剤師」を広める活動も行った。
【結果】
「担当薬剤師」制度導入時の2021年8月には、かかりつけ薬剤師の患者数は1,497名であったが「担当薬剤師」制度を導入したことにより2023年4月末での患者数はかかりつけ薬剤師1,743名、「担当薬剤師」6,108名に増加した。また、「担当薬剤師」制度の導入により、かかりつけ薬剤師制度を導入できない患者においても専属の薬剤師を持つことが可能となり、残薬調整やヒアリングをスムーズに行えるようになった。
【考察】
かかりつけ薬剤師の要件を満たす以前から専属薬剤師となることで、患者に対して早期からより細かな服薬管理が可能になると考えられる。今後要件を満たした際にはかかりつけ薬剤師への移行が可能で、より患者本位の医療の実現が可能になると思われる。よって「担当薬剤師」制度の導入はかかりつけ薬剤師の前段階として十分に機能するものであり、より多くの患者にかかりつけ薬局・薬剤師として利用していただけるものだと考える。