第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ワークショップ

[WS12] 画像処理を工夫してクライオ電顕で構造決定が難しいタンパク質に取り組む!

2021年6月18日(金) 17:30 〜 20:00 チャンネル2

オーガナイザー:守屋 俊夫(高エネルギー加速器研究機構)、横山 武司(東北大学)

18:45 〜 19:10

[WS12-04] クライオ電子顕微鏡における観察と構造解析のあれこれ

包 明久 (東大・医)

電子直接検出機の登場による“resolution revolution”以降、クライオ電子顕微鏡による単粒子解析はX線結晶構造解析やNMRと並ぶ強力な構造解析手法となった。東京大学では2018年にThermo Fisher Scientific社のハイエンド電子顕微鏡を導入し、日本医療研究開発機構(AMED)の創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)に参加して研究者支援と技術の高度化をおこなってきた。構造解析ターゲットは100 kDa程度の「小さな」ものから1 MDaを超える「大きな」複合体まで、あるいはすぐに構造が解けた「簡単な」サンプルから数年がかりで構造解析に至った「難しい」サンプルまで多種多様である。また最近では52 kDaのstreptavidinの構造を1.93Åという高分解能で解くことに成功した。本公演ではこれらのタンパク質の解析経験をもとに、クライオ電子顕微鏡による観察から解析まで様々なTIPSをご紹介したい。