[1C14-17] 原子炉圧力容器2

[1C17] 平成29年度原子炉圧力容器及び炉内構造物の照射影響評価手法の高度化

(4) 圧力容器鋼JRQ材の板厚方向各部における金属組織評価

*西本 健太¹、小林 知裕¹、山本 真人¹、西田 憲二¹、三浦 靖史¹ (1. 電力中央研究所)

キーワード：圧力容器鋼、金属組織、偏析、EPMA

原子炉圧力容器を模擬したIAEA標準材JRQ圧延材の板厚方向各部における機械的特性の差に寄与する組織要因を明らかにするため，光学顕微鏡観察およびEPMAにより，金属組織を詳細に評価した。板厚225mmのJRQ材板厚表面近傍から採取した試験片は，均一な組織を有しており，化学成分も概ね均一に分布していた。表面から24mm以上内部の位置から採取した試験片は，圧延方向に対して平行で筋状に伸びた組織が観察された。EPMAによる分析結果から，筋状の組織ではニッケル，マンガン，モリブデン等の元素が濃化しており，特に板厚中心近傍において顕著であった。光学顕微鏡により金属組織の3次元観察を行った結果，板厚中心近傍における筋状の組織は幅が約230µmで，圧延方向には2mm以上伸びており，体積率は約25%であった。