[B10] Study on the Age Dependency of DNA Double-Strand Break Repair Ability using mice
Keywords:DNA Double-Strand Break Repair, Age Dependency, DNA-PKcs, DNA ligase, Cerebrum, Cerebellum
社会的関心が高まっている放射線の影響の一つに、子供と成人の放射線感受性の違いがある。広島・長崎原爆被爆者の白血病・固形がんでは小児の方が感受性は高いとされている。また、動物を用いて発がんの年齢依存に関する研究は行われているが、そのメカニズムについては余り明らかになっていない。本研究は、DNA二重鎖切断修復能、特に、非相同末端結合(NHEJ)の能力の年齢差を調べることを目的とした。1週齢と7週齢の雌雄のマウスから様々な臓器を採取し、NHEJ関連タンパク質の発現をウエスタン・ブロット法により検討した。その結果、特に、大脳、小脳において、DNA二重鎖切断修復においてセンサーの役割を果たすDNA-PKcs発現量の週齢差が認められた。DNA二重鎖切断修復において結合の役割を果たすDNA ligaseⅣ等の発現量の週齢差比較や他の臓器でのDNA-PKcs発現量の週齢差との関係についても検討中で、その結果も総合して発がんの年齢依存性とDNA修復能との関係について考察したい。