[2N13-15] 水素同位体挙動

[2N13] マグネトロンスパッタリング法で作製した酸化イットリウム被覆の微細構造および水素同位体透過挙動に対する重イオン照射効果

*中村 和貴¹、藤田 光²、エンゲルス ヤン³、藪内 聖皓⁴、近藤 創介⁴、叶野 翔²、寺井 隆幸²、近田 拓未¹ (1. 静岡大学、2. 東京大学、3. ユーリッヒ研究センター、4. 京都大学)

キーワード：トリチウム、セラミックス被覆、照射

核融合炉ブランケットシステムの実用化に向けて、燃料トリチウムの漏洩低減は重要な課題であり、周辺環境の汚染や燃料効率の観点から、配管およびブランケット筐体へ施すトリチウム透過低減用セラミックス被覆の研究が進められてきた。これまでに被覆における水素同位体透過挙動や腐食挙動等が解明されてきたが、実機環境で想定される高線量の中性子線による被覆に対する照射影響に関する知見は未だ少ない。本研究では優れた放射化特性および水素同位体透過低減性能を有する酸化イットリウム被覆をマグネトロンスパッタリング法にて低放射化フェライト鋼F82H基板上に作製し、種々の条件下で重イオン照射試験を実施した後、微細構造観察および重水素透過試験から詳細な照射影響を調べた。照射試料ではアモルファス層や微結晶層が確認され、これらの照射による構造変化は損傷量に依存して進展することが明らかとなった。