2018年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 501-1 基礎物性

[3E01-07] MA-Zr水素化物

2018年9月7日(金) 09:30 〜 11:25 E会場 (A棟 A34)

座長:橋本 直幸(北大)

11:00 〜 11:15

[3E07] 早期実用化を目指したMA-Zr水素化物を用いた核変換処理に関する研究開発

(7)軽水炉運転を継続した場合のマテリアルバランス(MB)評価

*伊藤 邦博1、向井 悟1、池田 一生1、日比 宏基2、小無 健司3 (1. NDC、2. MFBR、3. 東北大学)

キーワード:MA-Zr水素化物、核変換、小型高速炉、軽水炉運転、マテリアルバランス

国の政策に沿って軽水炉のみを順次再稼働した場合の核燃料サイクル全体のマテリアルバランス(MB)の計算を実施した。この結果は、小型高速炉のブランケット領域等にMA-Zr水素化物を装荷して核変換処理を行う場合の、長期的な放射性廃棄物の低減効果を把握するための基礎データとなる。リファレンスケースでは2015年から軽水炉を順次再稼働し、2030年に総発電量が24GWeに到達、2030年以降は同規模の発電量を維持するとし、2150年まで計算を行った。ここで、2018年より六ヶ所再処理施設を立上げ、施設の寿命到達後も同規模プラントにより再処理を継続するとした。
MBの計算の結果、2150年時点で、超長寿命のNpが約80トン、長寿命のAmが160トンが、主に使用済燃料と高レベル放射性廃液中に蓄積する。一方、Puについては2010年時点で累積していた使用済み燃料の再処理が終了する2072年以降、貯蔵量が減少する。再稼働のペースが5年遅れるケースも評価したが、2150年におけるMAの蓄積量に殆ど差異はない。