2018年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 303-1 原子炉計測,計装システム,原子力制御システム

[1A01-03] 過酷事故時計装

2018年3月26日(月) 14:45 〜 15:40 A会場 (C1棟 C1-211)

座長:氏田 博士 (原安進)

15:00 〜 15:15

[1A02] 過酷事故模擬環境を想定した高温型MIケーブル用シース材の腐食特性(3)

*中野 寛子1、広田 憲亮1、武内 伴照1、土谷 邦彦1 (1. 原子力機構)

キーワード:過酷事故環境、高温型MIケーブル、SUS316、NCF600、腐食特性

原子力発電所における監視システム高度化の一環として、過酷事故時でも炉内の計測データを伝送可能な高温型MIケーブルを開発している。特に、過酷事故時の原子炉内は、窒素、酸素、水素、水蒸気のほかに核分裂生成物等が含まれた混合ガス雰囲気中に暴露されることから、シース材の早期破損が懸念される。本研究では、MIケーブル用シース材として選定したSUS316及びNCF600について、燃料破損を想定した雰囲気(I2、I2/O2、I2/H2O、I2/O2/H2O)中における腐食特性調べた。その結果、NCF600は全雰囲気において試験片表面に厚さの均一な腐食生成物が観察された。SUS316は、I2、I2/O2雰囲気では、表面に厚さの均一な腐食生成物が観察された一方で、I2/H2O、I2/O2/H2O雰囲気では、表面に厚さの不均一な酸化皮膜が形成され、さらにこの酸化皮膜が異なる酸化物で構成された層状のものであると観察された。以上より、I2及びH2Oの混合雰囲気では、SUS316表面で形成された酸化皮膜が破損と形成を繰り返し、層状に形成された可能性が考えられ複雑な腐食挙動を示していることが分かった。