[1B08-14] 沸騰・凝縮

[1B14] 垂直面上の飽和およびサブクールプール沸騰における限界熱流束と伝熱面近傍の気液挙動

*山本 翼¹、宇田川 勝也¹、坂下 弘人¹ (1. 北海道大学)

キーワード：限界熱流束、プール沸騰、サブクール沸騰、垂直伝熱面、導電プローブ、マクロ液膜

原子炉の熱的安全評価で重要となる強制流動CHFは、発生条件によってドライアウト型、DNB型に分類される。ドライアウト型は流路壁面に形成される液膜の消耗によって発生すると考えられているがDNB型に関しては、その発生機構はほとんど解明されていない。本研究はDNB型のCHF発生機構を解明するための第1歩として、垂直面上の飽和およびサブクールプール沸騰を対象とした実験を行った。垂直に設置した長さ48mm、幅4mmの矩形伝熱面を用いて、水のサブクール度0～30Kの範囲でCHFを測定するとともに、微細導電プローブを用いて伝熱面近傍の気液挙動を測定し、伝熱面上を移動する蒸気泡下に形成される液層厚さを特定した。その結果、液層厚さはサブクール度の影響を強く受けることが明らかとなった。また、得られた結果から、蒸気泡下の液層ドライアウトに基づくモデルを用いてCHFの予測を行い、実験結果とよく一致する結果を得た。