2018年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 405-2 放射性廃棄物処分と環境

[1L11-14] 収着

2018年3月26日(月) 15:35 〜 16:40 L会場 (M1棟 M1-311)

座長:湊 大輔 (電中研)

15:50 〜 16:05

[1L12] 蛍光発光スペクトルを用いたCa-Al-Si系水和物へのユウロピウムの収着挙動の評価

*種市 やよい1、千田 太詩1、新堀 雄一1 (1. 東北大学大学院工学研究科)

キーワード:Ca-Al-Si系水和物、ユウロピウム、収着、蛍光発光スペクトル、蛍光寿命

地層処分場では構造材として多量のセメント系材料が使用されるため,処分場周辺は高アルカリ環境となる.本研究では、地層処分場周辺の高アルカリ条件下において,セメント系材料から溶出したCaと,地下水中のAlおよびSiによって二次鉱物として生成するCa-Al-Si系水和物へのユウロピウムの収着挙動について,蛍光分光分析により検討した.収着実験では,実環境を想定して乾燥過程を経ないCa-Al-Si系水和物ゲルを用い,Al/Si比(0-0.5)および収着期間をパラメータとしてユウロピウム収着挙動への影響を評価した.一般的に,ユウロピウムは高pH条件において水酸化物を形成し沈殿することが知られている.しかし,蛍光発光スペクトルおよび蛍光寿命の分析より,Al/Si比の低い試料(0,0.125)に対して,ユウロピウムが沈殿するのみならず水和物の内部に取り込まれる可能性が示唆された.さらに,このようなユウロピウムの取り込みは,収着期間が長くなるにつれて、より顕著になることが示された。