2018年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 201-1 原子核物理,核データ測定・評価・検証,核反応工学

[2G01-07] 医療データ,中性子捕獲反応,共鳴散乱,測定技術

2018年3月27日(火) 10:10 〜 12:00 G会場 (U2棟 U2-212)

座長:渡辺 幸信 (九大)

10:25 〜 10:40

[2G02] Zr標的へのアルファ粒子照射による99Moの励起関数測定

村田 朋大1、*合川 正幸1、齋藤 萌美1、右近 直之2、小森 有希子3、羽場 宏光3、Sándor Takács4 (1. 北海道大学、2. 福島県立医科大学、3. 理化学研究所、4. ハンガリー原子核研究所)

キーワード:モリブデン99、テクネチウム99m、ジルコニウム、アルファ粒子、励起関数、断面積

99Moのベータ崩壊によって生成される99mTcは、その適切な半減期やガンマ線エネルギーなどの特徴から、現在最も多く利用されている医療用放射性核種である。99Moは主に原子炉における235Uの核分裂生成物から抽出されているが、原子炉の経年劣化や不定期のメンテナンスのために将来的な供給不足の危機にさらされており、それに代わる新しい製造プロセスが必要とされている。本研究では96Zr(α,n)99Mo反応によって生成される99Moの励起関数を調べるため、理化学研究所のAVFサイクロトロンで加速した50MeVのアルファ粒子をZr箔とモニター反応用のTi箔に照射し、積層箔法及び放射化法を用いて各箔でのアルファ粒子のエネルギーに対する99Moの生成断面積を測定した。得られた結果を先行研究およびTENDLのデータと比較したところ、99Moの生成に重要な励起関数のピークエネルギー付近の断面積が大きく異なることが確認された。