16:40 〜 16:55
[2K17] 福島第一発電所事故の原子炉建屋爆発原因考察とその対策について
排気塔内サイレンサーの閉塞が主因と特定
キーワード:建屋爆発、ベント、格納容器
福島第一発電所は1,2,3号機が格納容器内で炉心溶融し、格納容器の圧力が上昇し、格納容器爆発を避けるためにベントされた。
しかし1号機と3号機はベント後に格納容器は爆発せずに外側の原子炉建屋が爆発した。
2号機はベントを試みられたが,ベント管内のラプチャーディスクが割れず、放出できなかった。しかし格納容器も原子炉建屋も爆発していない。
4号機は炉心修理工事のために、炉心には核燃料はなく炉心溶融していないが原子炉建屋は爆発した。
各建屋の事故結果は多様であるが、著者はこの原因は排気塔内のベント管吹き出し部にある騒音を防ぐサイレンサーにあると見ている。このサイレンサーは車などに使用されている消音器のマフラーと同じ構造で多数の穴の金属円筒を重ね、放出ガスの衝撃音を抑えている。
1、2号機は排気塔とサイレンサーを共有し原子炉建屋側、格納容器ベントの配管もそれぞれつながり4系統同じサイレンサーにつながっていた。
3、4号機も同様に4系統が同様にサイレンサーと排気塔を共有していた。
1,3号機の原子炉建屋爆発原因については、筆者はベントによって大量に放出された粉塵がフィルターを破壊し通過しそのまま排気塔に流れ、出口部のサイレンサーが目詰りし、水素が同じサイレンサーにつながっていた建屋側の排気ラインに逆流し原子炉建屋内に水素が侵入したと推定される。
断熱膨張によってもサイレンサーは零下となり、水蒸気の凍結によって閉塞する。この二つの相乗効果によりサイレンサーが閉塞したと考えられる。
2号機についてはベントガスがラプチャーディスクを割ろうとしたときには既にその背面にはサイレンサー手前を経由した1号機のベントガスが回っていたと推察される。両面から押されたラプチャーディスクは破断応力に至らず割ることができなかったと推定する。その後も格納容器内は圧力上昇と温度上昇を続け、格納容器上蓋のガスケットが損傷し、その場所から水素やダストが漏れ原子炉建屋内の圧力が急上昇し、ブローアウトパネルが開放し、そこから水素、ダスト、水蒸気などが外部に放出されたと推定される。
4号機については3号機のベントガスが目詰まりしたサイレンサーを経由し同じサイレンサーにつながっていた4号機の建屋換気ラインを経て4号機建屋内に逆流した。
本稿では爆発直後の写真と残留放射線から各建屋の爆発要因を特定し,その対策案を提案する。
しかし1号機と3号機はベント後に格納容器は爆発せずに外側の原子炉建屋が爆発した。
2号機はベントを試みられたが,ベント管内のラプチャーディスクが割れず、放出できなかった。しかし格納容器も原子炉建屋も爆発していない。
4号機は炉心修理工事のために、炉心には核燃料はなく炉心溶融していないが原子炉建屋は爆発した。
各建屋の事故結果は多様であるが、著者はこの原因は排気塔内のベント管吹き出し部にある騒音を防ぐサイレンサーにあると見ている。このサイレンサーは車などに使用されている消音器のマフラーと同じ構造で多数の穴の金属円筒を重ね、放出ガスの衝撃音を抑えている。
1、2号機は排気塔とサイレンサーを共有し原子炉建屋側、格納容器ベントの配管もそれぞれつながり4系統同じサイレンサーにつながっていた。
3、4号機も同様に4系統が同様にサイレンサーと排気塔を共有していた。
1,3号機の原子炉建屋爆発原因については、筆者はベントによって大量に放出された粉塵がフィルターを破壊し通過しそのまま排気塔に流れ、出口部のサイレンサーが目詰りし、水素が同じサイレンサーにつながっていた建屋側の排気ラインに逆流し原子炉建屋内に水素が侵入したと推定される。
断熱膨張によってもサイレンサーは零下となり、水蒸気の凍結によって閉塞する。この二つの相乗効果によりサイレンサーが閉塞したと考えられる。
2号機についてはベントガスがラプチャーディスクを割ろうとしたときには既にその背面にはサイレンサー手前を経由した1号機のベントガスが回っていたと推察される。両面から押されたラプチャーディスクは破断応力に至らず割ることができなかったと推定する。その後も格納容器内は圧力上昇と温度上昇を続け、格納容器上蓋のガスケットが損傷し、その場所から水素やダストが漏れ原子炉建屋内の圧力が急上昇し、ブローアウトパネルが開放し、そこから水素、ダスト、水蒸気などが外部に放出されたと推定される。
4号機については3号機のベントガスが目詰まりしたサイレンサーを経由し同じサイレンサーにつながっていた4号機の建屋換気ラインを経て4号機建屋内に逆流した。
本稿では爆発直後の写真と残留放射線から各建屋の爆発要因を特定し,その対策案を提案する。