2018年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 403-1 原子炉化学,放射線化学,腐食化学,水質管理

[2M01-05] 放射線化学

2018年3月27日(火) 09:30 〜 10:50 M会場 (M1棟 M1-313)

座長:細川 秀幸 (日立)

10:15 〜 10:30

[2M04] パルスラジオリシス法による高温下の水素原子と水分子との反応(H+H2O→H2+OH)に関する研究

*室屋 裕佐1、金森 航1、山下 真一2、Phantira Lertnaisat3、Sunuchakan Sanguanmith3、Jintana Meesungnoen3、Jean-Paul Jay-Gerin3、勝村 庸介2,4 (1. 阪大産研、2. 東大院工、3. シャーブルック大、4. 日本アイソトープ協会)

キーワード:高温放射線化学、高温パルスラジオリシス、水素注入、水素発生反応、水素原子-水分子反応

軽水炉の長期健全性確保の観点から、構造材料の腐食抑制のため、冷却水を還元性に保つことが極めて重要である。有効な手法として冷却水への水素注入が知られ、BWRやPWRにおいて広く用いられてきた。放射線環境下において、過酸化水素や酸素といった酸化性化学種の著しい抑制効果が発現する。酸化性化学種の抑制に関わるHやOHといった重要な水分解生成物の反応動力学的な知見は確立しているとは言えない。特に、高温下の水素原子-水分子反応(H+H2O→H2+OH)は、理論的(熱力学的)な考察やミュオン実験から議論が進められてきたが、反応性について未だ見解の一致を見ていない。そこで今回、パルスラジオリシス法を用いて、室温から350℃にわたる反応速度定数を実験的に評価した。300℃では従来の評価に比べ、一桁大きい(3.1±0.4 ) ´ 104 M-1s-1 が得られた。