2018年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 202-2 放射線物理,放射線計測

[3H10-15] プラント計測

2018年3月28日(水) 14:45 〜 16:20 H会場 (U2棟 U2-213)

座長:前畑 京介 (九大)

16:00 〜 16:15

[3H15] 二色X線CTによる燃料デブリ元素分析のためのエネルギー選択型X線イメージング

*三津谷 有貴1、福岡 潤哉1、中田 直樹1、島添 健次1、高橋 浩之1、上坂 充1 (1. 東京大学)

キーワード:燃料デブリ、二色X線CT、小型ライナックX線源、フォトンカウンティング型X線検出器

福島第一原子力発電所の燃料デブリ取り出しは重要な課題であり、内部のデブリ全体の物理・化学的な性状の分布情報を得ることは、安全な取り出しや作業の迅速化に大きく資すると考えられる。我々のグループでは、性状分布作成のための情報を得ることを目的として、遠隔操作により回収されてきたデブリ小片に対してオンサイトでの元素分析を行うシステムの開発を行っている。
この元素分析システムは二色X線CTの原理に基づく。異なる2つのX線エネルギーで取得したCT画像から、原子番号や電子数密度を解析的に求められる。本システムは、可搬型加速器X線源とフォトンカウンティング型二次元X線検出器からなり、検出器においてエネルギー選択を行い画像を取得する。
本報告では、数値計算を用いた二色X線CTの原理検証および、二色X線CTに向けてのエネルギー選択型イメージングの実験結果を示す。実験では鉄とタングステンから成るサンプルに対してプロトタイプ検出器を用いてエネルギー選択型イメージングを行い、異なるコントラストの画像が得られることを示した。今後は原子炉材料物質を用いた模擬サンプルの撮像、およびCTに取り組む予定である。