2020年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 503-1 原子炉化学,放射線化学,腐食化学,水質管理

[2F07-11] 燃料被覆管,被ばく低減

2020年9月17日(木) 16:45 〜 18:15 F会場 (Zoomルーム6)

座長:内田 俊介(JAEA)

17:00 〜 17:15

[2F08] 軽水炉利用高度化に対応した線量率低減技術の開発

(9)通常水質、水素注入水質における燃料被覆管へのクラッド付着・溶出試験結果

*細川 秀幸1、橘 正彦1、石田 一成1、清水 亮介2、長瀬 誠2、稲垣 博光3 (1. 日立、2. 日立GE、3. 中部電力)

キーワード:燃料クラッド、亜鉛注入、貴金属注入、コバルト60、フェライト

沸騰水型原子炉を対象とした腐食生成物挙動評価モデルの精度向上を目的として、燃料被覆管へのCoの付着・溶出挙動に及ぼすZn注入の影響を調べた。水質条件はFe/Ni比制御プラントと極低鉄高Niプラントの通常水質(NWC)、水素注入水質(HWC)及び貴金属注入水質(NMCA)とし、炉水中不純物を模したFe、Co、Ni、Cr、Znを所定濃度で添加した高温水に、ヒーターピンに装着した被覆管を浸漬し、沸騰条件で250h保持した。浸漬後、被覆管表面に付着した酸化物を定量して付着密度を求めた。燃料被覆管へのCoの付着挙動は、各水質ともFe付着密度が支配的であることがわかった。ただしHWC及びMNCA条件でZn添加濃度が10 ppbの場合にCo付着密度が3~4倍に増加しZn注入の影響が見られた。これはZn添加によるフェライト化率増大によりCo付着密度が増加したものと推定した。