2020年秋の大会

講演情報

一般セッション

IV. 原子力プラント技術 » 401-2 原子炉の運転管理と点検保守

[2K01-05] 原子炉の保守,保全技術の高度化2

2020年9月17日(木) 10:15 〜 11:45 K会場 (Zoomルーム11)

座長:石橋 文彦(東芝ESS)

11:15 〜 11:30

[2K05] ケーブル絶縁材の健全性診断技術開発

(5)高温下における照射劣化

*石井 元武1、藤吉 宏彰1、礒部 仁博1、川島 崇利2、冨宅 ゆかり3、大本 正人3 (1. 原燃工、2. 関西電子ビーム、3. 関西電力)

キーワード:非破壊検査、ケーブル、絶縁材、AE、打音検査

原子力発電所で使用されるケーブルの多くには、電気絶縁性の高い高分子材料が利用されており、それらは熱や放射線により次第に絶縁性能が低下する。筆者らはこれまでAE(Acoustic Emission)センサを用いた打音検査(以下、「AE打音検査」という。)により、同一仕様のケーブル試験体の室温環境下での照射による絶縁材の劣化度(機械的特性の低下度合い)の検出を非破壊的に試みてきた。
本報では、ケーブル試験体を断熱材で覆い、電子線照射に伴う温度上昇が耐熱温度付近になるよう最大2,000kGyまで段階的に照射した。その後、AE打音検査によりケーブル試験体の周波数スペクトルを得た。
高温照射後の試験体には室温での照射と比較して顕著な外観の変化が認められた。また、照射後の絶縁材への引張試験から得られた破断時伸びとピーク周波数の回帰式から、ケーブル絶縁材の暫定的な診断基準値を設定した。
このことから、AE打音検査によるケーブル絶縁材の室温環境下での照射と同様に、高温照射での劣化検出性を確認した。