[3C05-08] 福島第一原子力発電所汚染コンクリート2

[3C08] 放射性物質によるコンクリート汚染の機構解明と汚染分布推定に関する研究

(11)全体まとめ(総説，今後の展望)

*五十嵐 豪¹、芳賀 和子²、山田 一夫³、駒 義和⁴、丸山 一平⁵ (1. 東大、2. 太平洋コンサルタント、3. 国環研、4. JAEA、5. 名大)

キーワード：福島第一原子力発電所、放射性核種、模擬変質試料、炭酸化、乾燥、溶脱、浸透、収着

東京電力福島第一原子力発電所の廃炉工程で想定される、作業環境改善を目的とした建屋コンクリートの除染、除染手法の検討、廃棄物量の推計等を行う際の基盤情報に資することを目的に、放射性物質によるコンクリート汚染の機構解明と将来の汚染分布の推定に関する基礎研究を進めている。核種の収着・浸透挙動は、コンクリートの特性（セメント種類、骨材に含まれる粘土鉱物）、状態（飽水・乾燥）および核種の種類によって異なる。そのため、将来の汚染分布の推計に向けては、コンクリートの状態／化学組成が核種（Cs、Sr、α核種等）の収着・浸透・溶脱に及ぼす影響の評価とともに、水の移動も考慮した汚染状況・浸透挙動の評価／予測手法の検討が必要であり、基礎的な研究を進めてきた。本報では、放射性物質によるコンクリート汚染の機構解明と汚染分布推定に関する研究に対するシリーズ講演(6)-(10)までの総括とともに今後の展望について報告する。