2021 Fall Meeting

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Oral presentation

V. Nuclear Fuel Cycle and Nuclear Materials » 505-3 Decommissioning Technology of Nuclear Facilities

[2C10-15] Decommissioning Technology for Fukushima 1

Thu. Sep 9, 2021 2:45 PM - 4:25 PM Room C

chair: Kazuya Idemitsu (Kyushu Univ.)

2:45 PM - 3:00 PM

[2C10] Fukushima Daiichi Nuclear Power Station decommissioning

燃料デブリ回収工法の現状の問題点と代替法

*Haruo Morishige1, Yosuke Yamashiki2, Yasufumi Kitamura1 (1. Fukushima Nuclear Accident Countermeasures Review Group, 2. Kyoto Univ.)

Keywords:Fuel debris, trolley, extraction amount

福島第一2号機においてIRID等が燃料デブリの抽出に関する研究成果報告を公開しているが、以下の問題点について検討が必要である。 第一が抽出量の目標が1g(グラム)と記載されているが、燃料デブリの物性評価を行うにしても極めて少なく、今後の本格的取出しに向けては改めて取出し工法を研究する必要があり、研究の連続性に問題がある。第二にペデスタル内に搬入させるアクセス装置のアームは水平に6段折れる構造になっているが、今までにペデスタル内の調査を行なったロボットが高い線量のために投入後約1時間で電動モータやセンサーが機能不全になった事例から、電動モータやセンサーを有している提案アームも短時間で機能不全になることが予想され、唯一のアクセスルートX6スリーブを塞ぐ危険性がある。第三は燃料デブリをコンテナーに入れて搬送する台車は遮蔽材が巨大な重量となり床にかかる荷重が、建屋の床耐力を上回っている。第四には現在の提案では環境にダストや汚染水を放出させない防護区画が考慮されておらず、燃料デブリ取り出し中にも大気中に放射性ダストを放出する危険性がある。また燃料デブリを冷やす冷却水が漏れ汚染水の源泉となっておりさらに汚染水が増大する可能性がある。このような工事には3重の防護区画が必要である。
 これらの問題点を踏まえ代替法を提案する。駆動系を電動モーターやセンサーを有しないエアー駆動系に変更する。エアー駆動系の歴史は電動系より長くコンパクトで力強い駆動を要求される所に使用されている。回収装置は金属などの粉体を製作するエアーブラストを採用したミラーを応用する。燃料デブリの輸送は回収装置で作られた燃料デブリの粉体を圧送する方式とする。燃料デブリの冷却は水冷から液体窒素を冷媒とした低温空冷に変更し汚染水の源泉を断つ。キレツの封鎖や回収装置の密着は水を冷却したアイスプラグを行う。これらの提案技術はいずれも既存技術の範囲内にあり実現性が高い。