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[2F15] AIを用いた原子力発電所における異常予兆検知システムの開発
(6)検知アルゴリズムに技術者の知識を取り込む仕組みの構築と検知性能向上
キーワード:2段階オートエンコーダ、プラント性能監視、プラントヘルスモニタリング、異常予兆検知、深層学習
原子力発電所において、プラントの性能と様々なシステムの健全性を監視するために、何千ものプロセス値が測定されている。運転員が全てのプロセス値を常時監視することは困難である。そこで、多数のプロセス値を同時に監視し、未知の事象を含めた異常予兆を、少ない誤検知で早期に検知可能にすることを目的に、深層学習をベースとした検知アルゴリズムを開発している。現実のプロセスデータにおいては、互いに物理的な因果関係の無いプロセス値が、偶然類似した変動傾向を示すことがある。それを物理的関係があると誤って学習することで誤検知の原因となる。プロセスデータからは物理的関係の有無は分からない。そこで、別途、技術者がプロセス値の単純な2分類化によって関係性を容易に与えられる改良をアルゴリズムに行った。その効果をプラントシミュレータデータで検証し、誤った学習による誤検知が無くなり検知性能が向上することを確認した。