2022年秋の大会

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一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 203-2 ビーム利用・ビーム計測・ターゲット

[1N10-12] ビーム利用・ターゲット2

2022年9月7日(水) 16:10 〜 17:00 N会場 (E2棟1F 102番教室)

座長:神戸 正雄(阪大)

16:10 〜 16:25

[1N10] 波長分析型中性子イメージングによる強い多重散乱の断面積特性を持つ物質の定量

*正木 杏実1、佐藤 博隆1、加美山 隆1 (1. 北大)

キーワード:波長分析型中性子イメージング、中性子透過率スペクトル、水分定量、多重散乱、粒子輸送計算

中性子イメージングを利用して物質中の水分量の非破壊定量が行われている。その中で、中性子のエネルギー分析を行わない方法では、ビームハードニングに起因して、実験条件固有の中性子透過率と水分量の検量線を必要とする。それに対し、中性子エネルギー分析を行う波長分析型中性子イメージングでは、中性子透過率スペクトルの形状解析によって、検量線無しに定量できることが期待される。しかし、水素は中性子に対して強い非干渉性散乱を示すため、多重散乱の影響によっても中性子透過率スペクトルの形状が変化し、水分量の定量が困難になる。ただし、多重散乱は水分量に依存するため、スペクトルへの多重散乱の寄与は水分量と相関を持つはずである。そこで本研究では、多重散乱の影響を含んだ中性子透過率スペクトルの形状と水分量との関係を粒子輸送計算コードPHITSによる計算をもとに明らかにし、実験条件に依らない水分量の定量手法を開発した。