2022年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-2 放射性廃棄物処分と環境

[2C10-14] 核種移行・収着1

2022年9月8日(木) 14:45 〜 16:10 C会場 (E1棟2F 22番教室)

座長:田中 真悟(電中研)

14:45 〜 15:00

[2C10] カルシウムシリケート水和物へのSeO42-およびSeO32-の収着挙動

*関 亜美1、前田 一樹1、千田 太詩1、新堀 雄一1 (1. 東北大)

キーワード:カルシウムシリケート水和物、セレン酸イオン、亜セレン酸イオン、収着

セメントの主成分であるカルシウムシリケート水和物(C-S-H)は、放射性廃棄物処分場周辺の地下水流動場において二次鉱物としても生成する。C-S-Hはこれまで、陽イオン核種に対する収着能を有することが報告されている一方で、セレンのような溶液中でオキソアニオンの形態を取り得る核種については検討例が少ない。そこで本研究では、前報に続き冠水環境において生成するC-S-H(Ca/Siモル比0.4, 0.8, 1.2, 1.6)に対するセレン酸イオン(SeO42-)および亜セレン酸イオン(SeO32-)の収着特性を評価した。収着実験は、C-S-H合成と同時にNa2SeO4またはNa2SeO3溶液を1 mMとなるように添加して7日間養生した後、固液分離により得られた液相のSe濃度を、イオンクロマトグラフィを用いて形態別に定量し収着率を算出した。その結果、SeO42-において47〜70%、SeO32-において98〜99%の収着率を示した。また、いずれの形態においても高Ca/Siモル比であるほど収着率は高く、固相中のCaイオンがSeの収着に寄与していることが示唆される。