2022年秋の大会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 302-1 新型炉システム

[2F14-17] 溶融塩炉1

2022年9月8日(木) 15:50 〜 16:55 F会場 (E1棟3F 31番教室)

座長:小原 徹(東工大)

16:35 〜 16:50

[2F17] 塩化物溶融塩高速炉のフィージビリティー研究(II)

(4)小形溶融塩高速炉の炉心特性

*三田地 紘史1、島津 洋一郎1 (1. 次世代エネルギー研究・開発機構)

キーワード:溶融塩炉、高速炉、塩化物塩、NaCl-CaCl2、超ウラン元素

軽水炉使用済燃料に含まれる超ウラン元素(TRU)および劣化ウラン(U)を有効利用するために、本研究では熱出力700MWthの小型溶融塩高速炉(MSFR)について炉心特性を検討した。採用した燃料塩はNaCl、CaCl2、UCl3、TRUCl3の混合塩である。この燃料塩は凝固温度が約530℃で、重金属元素(TRU+U)の溶解度は約30mol%と期待される。本研究の解析より、MSFRの中性子実効増倍係数は1.010以上を達成可能であり、炉心の成立性が確認できた。炉反応度の密度係数はドップラー係数の20倍も大きく、炉反応度の温度係数は-1.1x10-4[1/K]となった。動特性パラメータ(遅発中性子割合、崩壊定数)は、燃料塩に含まれるウランがU-238と仮定しているため、核分裂性プルトニウムの組成比率から評価できるとしているが、次年度には詳細評価を行う予定である。これらの炉心特性は、SRAC2006を用いて解析し、核データはSRACLIB-JDL40を使用した。